2007/01/03

テールジャンプ

 「宿に帰るなり、まさか正座させられて説教されるとは思いませんでしたよ。恐怖のあまり疲れを感じている暇もありませんでした。今でも夢に出てうなされます。」(K岡氏談)
 「あの優しいMみ姉ちゃんが酒乱だったとは....長い付き合いなのですがあのとき初めて知りました。....はっきり言ってショックでした。Mみ姉ちゃんの正体を知った夜でした。」(S原氏談)

 検定会の実技検定が終わった夜のことである。
 「正座!」M川師匠が言った。酒が入っているらしくいつもより12%くらい元気がいい。いつもM川師匠に従順なK岡氏と僕は戸惑いつつもその言葉に従うとその直後、「なんだ、あのプルークボーゲンは!!!!」...心に突き刺さる一言。説教が始まったのである。しかし言い返す言葉はない。僕らは無力だ。
 寒い夜だった。風呂上がりの体が冷えていく....説教がようやく終わったのかと思い、足を崩し、靴下を履こうとしていると「靴下履いてる場合じゃない!!!」とのお言葉。説教は終わっていなかったのである。師匠は酒をあおりつつ説教を続ける。
 いつもより27%くらい元気になった頃、師匠は"何故手酌で酒を飲まなければいけないのか?"と思ったらしく「酒がな~い!!!」と催促なさいました。僕らは正座をしていたので身動きがとれずにいたのですが、お酒を差し上げるために動いたらまた逆鱗に触れはしないかとおそるおそる「ビールとバーボンがありますが、どちらになさいますか?」と尋ねると「バ~ボン!!!」とのことでした。
 バーボンも入って更にご機嫌がよくなって来たM川師匠様は「風呂がぬるいんだよ!!」と仰せになり、もうスキーのことなんかどうでもよくなったらしく「えぇえぇそうですよね、風呂は熱いのが一番ですよ!さすが!!」何が"さすが"なんだかよく解りませんが、僕らが適当に応えられる段階に突入しようやく説教は終わったのでした。

 散々お説教を頂いた翌日。透き通った空はどこまでも青く、K岡氏と僕の悲しい気持ちを映しているかのようでした。♪ババンバ番号無い アビバノンノ♪とおちゃらけてみたものの、気持ちはその青空のようには晴れませんでした。
 猛烈に説教され、不合格。踏んだり蹴ったりとはこのことでした。


 翌年の検定会でM川師匠は涙を流して合格を喜んでくれました。
 今日M川師匠がいるところで「アルプス平の上から下までテールジャンプやらされた」って話しをしたら「下から上までじゃなくてよかったじゃない」とのお言葉。...あの時の涙は"XXの目にナントカ"だったのか。やっぱり。
 テールジャンプ、今日上手く出来なかったから土曜日練習しときす。

 以上、ほぼ実話。

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